1月7日17:10氷上のヘルシンキ・ヴァンター国際空港に到着
この日の日の入時刻は15:24で、辺りは既に真っ暗。
そしてとにかく寒い。

気温はマイナス15℃
体感気温マイナス23℃
そりゃ寒いわ。

空港で食べたのがこいつ「ピタサンド?」と言う中東系の料理。
フィンランドは食べ物が不味いという評判通り
お肉や生地がパサついてて、喉が詰まるような食感。
とにかくポテトが主食レベルで強すぎて、すぐに食べ飽きてしまうがそれでも頑張って完食。
17.90ユーロなので、日本円だと約3000円!?

世界一まずいお菓子。
サルミアッキ(Salmiakki)
3.2ユーロなので日本円で約500円

お土産として買ったが、バカ舌の父だけは美味しいと言っていた。
空港からヘルシンキに行くには2つの路線がある。
どちらから行ってもヘルシンキ行きなので、迷うことはないが不安。

電車の椅子デカすぎ?!
フィンランド人の平均身長
男性 180㎝
女性 168㎝
座席2人分だけど日本人なら4人は座れるであろう圧倒的スペース。

ヘルシンキ中央駅に到着。
「お前のような軟弱なアジア人は帰れ」と拒絶しているように見える。

現在:マイナス16℃
体感温度:マイナス24℃

マイナス24℃って、冷凍庫がだいたいマイナス18℃より過酷。
冷凍マグロ以下の環境で笑うわ。
メインストリートのマンネルヘイム通り(Mannerheimintie)。
右の風格ある建物は歴史名高き「ホテル・セウラフオネ(Hotel Seurahuone)」。
トラムが走る美しい夜景ですが、私の目に入ったのは青い巨大広告のお兄さん。
なんでその気温でノースリーブなんだよ。

これ以上外にいたら本当に凍死すると確信し、世界共通の避難所へ逃げ込んだ。
フィンランドのマクドナルド。
注文カウンターの上には「NOUDA(受け取り)」の文字。
フィンランド語なんて1ミリも分からんが、「生きるための配給所」と書いてあるように見えた。

不味い物はまずい!
フィンランドは国を挙げて「健康志向・減塩政策」を徹底しているストイック国家。
ファストフードであっても容赦なく塩分が極限までカットされている。
ポテトはただの「温かい芋」、バーガーは「肉の塊」。
日本のマックの体に悪いけど「ガツンとくる塩気の旨さ」とはまるで逆。

正面に見えるのは美しいフィンランド国立劇場(Suomen Kansallisteatteri)。
体感マイナス24℃の中、微動だにせずスンッとバスをまつフィンランド人すげえ・・・

ブーツを履いた犬
ブーツを履いた犬
寒さに強い犬ですら凍傷から守るためにブーツを履くレベル

滑り対策をしても滑る危なすぎる氷の路上。これだけは守れ!生存者からの3つの鉄則
靴はばっちり「ガチの雪対策仕様」。
さらにその上から「後付けの滑り止め(スパイク)」まで装着するという、日本でできる限界突破の重装備で挑んだはずだった・・・
しかし、ガチ防滑シューズ+滑り止めセットを嘲笑うかのように、ツルッッッ冷凍庫の氷が牙を剥き、見事に足元を完全攻略。
後ろに頭側から転倒。
「ドンッ!!!」という鈍い衝撃が背中に走りました。
なんと、パンパンに荷物を詰めていた背中のリュックが、奇跡のクッションとなって
後頭部を完全にガードしてくれた!
リュックがなければ、間違いなくフィンランドの救急車のお世話になり、別の意味で伝説のブログになるところだった。
① 靴を過信せず「ペンギン歩き」を徹底する
どれだけ高い滑り止めを付けても滑る時は滑る。
基本は「重心は常に前」「歩幅を小さく」「足の裏全体で真上から踏み下ろすように歩く」こと。
現地の大柄なフィンランド人たちが、体を小さく縮こまらせて、一斉にペンギンのようにチョコチョコ歩いている光景は、なかなかシュール。
② カバンは絶対に「リュック(バックパック)」一択
万が一後ろにひっくり返った時、リュックが「エアバッグ」の役割を果たして頭を守ってくれる。
荷物はクッションになるよう、ある程度詰めておくとよい。
少なくとも自分はこれで命拾いした。
③ 寒さ防具は「クッション」であり「命綱」と心得よ
手袋: 手が冷えるから着けるのではない。転倒時に安全に地面に手を突くための必須装備。
厚手のダウンジャケット: 衝撃を吸収するエアバッグ。
ホテルにつく前に、生存報告の意味を込めてヘルシンキで最もおしゃれと言われるストリートへ。
高級ブランド店が並ぶアレクサンテル通り(Aleksanterinkatu)。

体感気温マイナス26℃のフィンランドをお写ん歩
翌朝の気温はマイナス19度
体感気温はマイナス26度

ミコンカツ(Mikonkatu)通り。
フィンランドの日曜日の朝は人がいない。

ミコンカツ通りはヘルシンキの一等地で普段はめちゃくちゃ人通りが多い。
地下鉄の駅やトラムの停留所やバスターミナルが集まっている場所だ。
フィンランドではお昼頃オープンの場所が多いかららしい。
ましてやこの寒さでは・・・
ヘルシンキ大聖堂で尊厳を捨てる
1852年に完成したカール・ルートヴィヒ・エンゲル設計の福音ルーテル派の教会。

とにかく寒い。
早く撮影したいのに寒すぎて指が動かない。
「・・・そうだ、今ここには誰もいない、我が肉体において、今最も熱を帯びている聖域・・・」
おもむろに手袋を脱ぎ捨て、自分のズボン(パンツ)の中にダイレクトに手を突っ込む。
マイナス24℃の世界において、己の股ぐらだけが唯一の南国。
傍から見れば、極寒のヘルシンキの路上で、股間に手を突っ込んでウットリしているただのド変態です。
こちらは大聖堂のすぐ近くにある、なんてことのない普通の生活道路。
クルーヌンハカ(Kruununhaka)地区のスネルマニンカツ(Snellmaninkatu)通り

現地の人からすれば「なんてことのない、ただの日常の生活道路(アパートと縦列駐車の列)」だけど
建物がすべて19世紀後半〜20世紀初頭に建てられた伝統的な石造り(パステルカラーのユーゲント・シュティール様式など)。
ウスペンスキー寺院でも尊厳を捨てる
これが見たかった。
丘の上に立つのは北欧最大級のロシア正教会の聖堂「ウスペンスキー寺院(Uspenski Cathedral)」
カタヤノッカ(Katajanokka)地区の小高い丘の上に建っており、夜の深いブルーの空に赤レンガとライトアップが映えて、ものすごく幻想的。

四足歩行に近い限界ペンギンスタイルでなんとか丘を登りきった。
気づけば、本日2度目となる「ズボン(パンツ)の中」へダイレクトイン。
「あぁ……やはりここが、オアシスだ……」
1度目で味を占めた私は、もはや躊躇すらない。
ライトアップされた神聖なウスペンスキー寺院の真ん前で、股間に両手を突っ込んでじっと佇むアジア人。
現地のペンギン)が一瞬でも通りかかったら、即座に国際問題に発展しかねないレベルのド変態です。

そうして、神への背徳感と引き換えに手に入れた「ぬくもり(第2波)」で、震えながらシャッターを切ったのがこの奇跡の1枚。
深いブルーの夜空に映える赤レンガは本当に見事です。
日本から気合を入れてOlympusの立派なカメラを持参したがウスペンスキー寺院はマジでデカすぎる。
Olympusのレンズを最大広角にしてみても、その圧倒的な巨体がどうしても画面におさまりきらない。
しかたなしにiPhoneの超広角モードでウスペンスキー寺院の雄大な全貌を1枚のフレームに収めることに成功。
近代技術と「パンツの中」の世紀のブレンドが大勝利!
凍結のため、これ以上近づけません。

そうこうしてるうちに周囲が明るくなってきた。

氷上のヘルシンキ街歩き
ヘルシンキの目抜き通り、夜のエスプラナーディ(Esplanadi)通り付近の交差点。
奥に見えるのは、これまたおしゃれなホテルやショップが並ぶエリア。
手前の路面をよく見てください。

車が通ったあとにできた「漆黒の轍(わだち)」
※轍・・・車が通った後に残る車輪の跡のこと。
これ、雪が溶けてるんじゃなくて、
溶けた雪がマイナス24℃の冷気で秒速で再凍結した、「ガチの超硬質アイスレーン」。
少し歩いて、マーケット広場近くのヘルシンキ南港(Eteläsatama)へとやってきた。
空が青からオレンジへと変わるグラデーション、そして可愛い三日月。
手前にはスオメンリンナの要塞へ向かうフェリーが停泊しており、言葉を失うほどドラマチックな朝焼け。
この日の日出時刻は9:38。

コルケアヴオレンカツ(Korkeavuorenkatu)通りを歩いていると重厚でかっこいい赤レンガの塔。
「おっ、歴史的なお城か教会かな?」と思って調べてみると
「コルケアヴオレンカツ(Korkeavuorenkatu)消防署」

いや、消防署の風格じゃないでしょこれ。
ヨハネス教会
街歩きの最後に辿り着いたのは、2つの尖塔が美しくそびえ立つヨハネス教会(Johanneksenkirkko)。
ゴシック・リヴァイヴァル様式の、これまた映画に出てきそうな見事な建築。
そして、目の前にあるのが、「天然のガチのスケートリンク」。
わざわざスケート場に行かなくても、街の中に普通にこれが現れる。

映画の舞台「かもめ食堂」
ロケ地の映画のタイトルは、ずばりそのまま『かもめ食堂』(2006年公開)!
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ等が出演したフィンランドのヘルシンキを舞台の映画。
日本人女性が営む小さな食堂を通じて現地のひとたちと心を通わせていく大ヒットしたスローライフ映画。
「やっと辿り着いた!ここであの映画のように、美味しいご飯を食べて心も体も温まるぞ〜!」
と、鼻水を垂らしながら喜び勇んで突撃したのですが。
……開いてない。

ガラスに張り付いて店内を覗き込んでも、人の気配がありません。
どうやら時間が早すぎたのか、完全に開店前だったようです。
マイナス24℃の中、お腹と背中がくっつきそうな極限状態でシャッターの前に立ち尽くすアジア人。
「せめて店内の暖気だけでも漏れ出してくれ……!」
と祈りましたが、扉は非情にも固く閉ざされたままでした。
日本に帰国したあと、この「開店前で食べられなかった」という悲劇が、さらに恐ろしいオチ。
なんとこの「かもめ食堂」、この3か月後2024年4月末に、本当に閉店(営業終了)してしまった。
「かもめ食堂」のあるブロックからすぐ近くの場所「フレドリーキンカツ(Fredrikinkatu)通り」
あぁ、トラム可愛いなぁ。北欧っぽいなぁ……
下り坂があってめちゃくちゃ滑りやすいのでペンギン街歩き。

核シェルター?テンペリアウキオ教会(通称:岩の教会)
最後にたどり着いたのが
ヘルシンキ屈指の超人気スポット「テンペリアウキオ教会(通称:岩の教会)」
どう見ても教会ではなく、世紀末の映画に出てくる「地下核シェルターの入り口」。
右側の雪山の上に、申し訳程度に小さな十字架が刺さっている。

一歩足を踏み入れた瞬間、そこは別世界。
むき出しの巨大な天然岩に囲まれ天井には美しい銅製のドームが広がる超近代的な大空間。
そして何より・・・暖かい。天国のように暖かい。
全身の細胞がじわじわと解凍されていくのを感じながら、心の底から安堵の息を漏らした。
「あぁ、これで、もう。パンツの中に手を突っ込んで尊厳の切り売りをしなくて済むんだ・・・!」
ヘルシンキの象徴とも言える老舗デパート「ストックマン(STOCKMANN)」。

北欧最先端のトレンドが集まる、日本でいう銀座のような超華やかな一等地。
さて、帰りの駅に向かう道。
ヘルシンキの中心地である「カンピ(Kamppi)広場」のすぐ目の前(マネルヘイミンティエ通り沿い)に建つ、赤レンガのビルには
「 −18℃ 」の表記

うん、知ってた。
ヘルシンキの街は、最後の最後まで「冷凍マグロの倉庫の上だぞ」だった。
ヘルシンキが世界に誇る美の殿堂、アテネウム美術館。
戻ってきた。
画面右下はヘルシンキの鳥「ズキンガラス(Hooded Crow)」
極寒の雪の上で「お疲れ」と言わんばかりにペタペタと佇んでいた。

雪の中、帰りの電車。
左の列車:『K KERVO』(近郊都市の「ケラヴァ」行き)
右の列車:『 I FLYGPLATSEN ✈️ 』(スウェーデン語で「空港」行き)
右の列車は飛行機マークが付いてるので間違いにくいけど、こういう気づかいが先進国だなと実感。

あぁ・・・これで冷凍マグロ倉庫のような極寒の世界から
ぬくぬく日本で解凍できる!
「どうせ北欧の空港の料理だし、ウサギのエサみたいなパサパサの葉っぱに、塩気の抜けた魚が乗ってるだけなんだろうなぁ」
と、期待値超低めで食べたサーモンサラダ
サーモンサラダ(18.90 €) = 約3,000円
アップルジュース(4.20 €) = 約670円
合計(Total)(23.10 €) = 約3,670円

裏切られた。最高の意味で・・・。
サーモンがとにかく肉厚で脂がのっていて、旨味が爆発。
パサパサ感なんてゼロ。
さすが本場の北欧サーモン、日本のちょっといいお店で食べるやつより遥かに美味い!
シャキシャキの野菜に、程よい酸味の赤玉ねぎのマリネ。
隣のアップルジュースも、カラカラの体に染み渡る極上の聖水。
サーモンサラダがあれだけ美味しかったのだから
「フィンランドの海産物はすべて神レベルなのでは?」
という仮説。
その謎を解き明かすべく
世界に轟く日本のソウルフード、「お寿司(SUSHI)」。

「うん。普通?」
不味くはない。
ただ、さっきのサーモンサラダには明らかに及ばない。
エビは「うん、エビだね」。カニカマも「カニカマだね」。
期待のサーモンも、美味しいけれど日本のちょっとした回転寿司で食べる安心のクオリティ。
何より、シャリ(酢飯)の握り加減や温度がヨーロッパの合理主義を感じさせる「カチッと感」を醸し出す。
これを最後に飛行機に乗り、帰国の途についた。
最後に口にした感想が「普通。」で旅が終わるという
なんとも自分らしい、絶妙に締まらないグランドフィナーレ。
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