1000年間戦場となったサックスの街ディナン

ベルギー

ディナンは山に囲まれた人口1万人程度の小さな街だ。
インパクトのある街並みの裏には、血塗られた歴史を持つ。
ディナン駅を降りると川の向こうに見えるディナン聖母大聖堂。
ディナン聖母大聖堂

大聖堂の奥の崖の上には城塞があり、階段やロープウェイで行くことが出来る。

この城塞は1050年に神聖ローマ帝国により建設された。
それ以降、ムーズ川沿いの戦略的要所として数多くの戦乱に巻き込まれてきた。
ブルゴーニュ公国による大虐殺、フランス・スペイン戦争のとばっちり、2度の世界大戦などにより多くの犠牲者が出た。

ディナンの戦乱の歴史
1050年 城が作られる(神聖ローマ帝国)
1466年 ディナンの反乱(800人の市民をムーズ川へ投げ込む)
1675年 フランス軍占領
1814年 オーストリア領
1815年 オランダ領(ネザーランド)
1830年 ベルギー建国(オランダより独立)
1914年 ディナンの戦いによりディナン壊滅(第一次世界大戦)
1919年 ベルギー領復活(ヴェルサイユ条約)
1940年 アルデンヌの森が戦場になる(第二次世界大戦)
1944年 ベルギー領復活(ドイツ降伏)

第一次世界大戦でのディナンの戦い。

第二次世界大戦でのアンデルヌの森の戦い(バジルの戦い)。いずれもディナン周辺が戦場となった。

城塞内は第一次大戦の爆撃音や市民の悲鳴を再現した音声が流れ、臨場感からトラウマになる人もいるかもしれない。

実際に使われた拷問道具「ギロチン」や「手を切断する斧」や世界大戦で使われた武器なども展示されている。

「シャルルドゴール橋」は戦争などにより何度も破壊された。

橋の上には世界各国の国旗とともに、様々なデザインのサックスのオブジェが並んでいる。

ディナンは「アドルフ・サックス」により発明されたサクソフォーンの発祥地なのだ。

当時のヨーロッパのクラシック音楽にはなかなか取り入れられなかったが、アメリカでジャズを中心に普及された。

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