円安日本を飛び出し、向かうのはエジプト・カイロ。

機内食。
旅の胃袋に、到着前に暗雲が立ち込める。

アライバルビザに30分並び、ようやく空港から脱出。
円安に泣かされている日本だが、エジプトポンドに対してだけは無敵の円高。
たったの5万円を両替しただけで、マフィアのボスも真っ青な極太の札束が爆誕した。
急激に大金持ちになった気分に浸れてお得だ。

だが、ここは「世界三大ウザい国」の筆頭エジプト。
カモを狙う客引きの猛攻を死に物狂いで振り払い、文明の利器Uberに転がり込んだ。
目指すは歴史あるコプト地区。

コプト地区に到着!
……と思いきや、まさかの門前払い。
エジプト版のキリスト教であるコプト教を狙った過去のテロの影響で、年末年始は警察と軍がガチガチの厳戒態勢。
このためにUber呼んだのに、私の野望は一瞬で打ち砕かれた。

気を取り直してオールドカイロを散歩。
右手に見えるのは西暦642年に建てられた「アフリカ最古」を誇るアムル・イブン・アル=アース・モスク。
だが観光客はゼロ。
それもそのはず、19世紀〜20世紀に建て直された建物が大半で歴史の重みがまったく伝わってこない。

コプト地区のすぐ北側の下町エリアのローカルな路上市場(スーク)の風景。

キャベツが山盛りで売られてる。
そしてそれを品定めする女性たちが、見事なまでに全員ふくよか。
エジプトの成人女性におけるBMI 25以上(過体重・肥満)の割合は、なんと約74%〜86%。
ゆったりしたイスラム衣装で体型を完全に覆い隠せる安心感が、このダイナマイトボディを量産したらしい。

スークの裏の住宅街。
路地裏はゴミが散乱しているが、猫たちにとっては完全なるパラダイス。

続いて要塞「シタデル」に入城。
ここでエジプトの洗礼アゲイン。
入場料は地元民のなんと9倍。
外国人一般550 EGP:約1,705円 外国人学生275 EGP:約853円
エジプト人一般60 EGP:約186円 エジプト人学生30 EGP:約93円
外国人に優しく日本人に厳しい日本とはまるで真逆。

シタデルの中も猫天国になってた

シタデルからの景色がめちゃくちゃすごい。
左側の建物は14世紀半ばに建てられたスルタン・ハサン・モスク(マドラサ)
建設時にギザのピラミッドの外装石が剥がされて使われたらしい。
世界遺産を素材にする豪快なリサイクル精神に圧倒される。
右側の建物は1912年に完成したアル=リファーイー・モスク

眼下の街並みを見ると、どの家も屋根の鉄筋がむき出し。
「未完成の建物は税金が免除される」という制度を逆手に取った節税ハックだ。
「将来、子供が増築するから!」と言い張りながら永久放置。たくましすぎる。

シタデル(サラーフ・アッディーンの城塞)内にあるムハンマド・アリー・モスク
こちらもギザの三大ピラミッドを覆っていた外装の高品質な石灰岩(化粧石)が剥がされて建材の一部として転用されたらしい。
贅沢すぎ!

モスクの中はこちら。
地元民と外国人が混じってカオスになっていた。

シタデルから見下ろして見えた、左のスルタン・ハサン・モスクと右のアル=リファーイー・モスクの足元へ。
トラックの荷台に乗った陽気な現地ボーイズたちとパシャリ。

年が明けて1月3日再び戻ってきたカイロをお写んぽ。
こちらはエジプトで最も有名でおしゃれな大型書店チェーン「ディワーン(Diwan Bookstore)」の本店(第1号店)

客層は外国人の駐在員が多いみたい。

アラビア語の他に英語やフランス語の洋書、文学、歴史・アート書が豊富。
カオスな下町と同じ国とは思えない落ち着いた店内。

近くに観光の目玉である「カイロタワー」が見えたがスルー。

革命の舞台タハリール広場。
本物の古代オベリスクとスフィンクスが鎮座しているが、ここもスルー。

向かったのは中世の迷宮、バザール「ハーン・アル=ハリーリ」。

路地には伝統の透かし彫りランプが無数に灯り、これぞ思い描いていたアラビアンナイトの世界。

聖地アル=フセイン・モスクへ向かう参道は、人と熱気でごった返している。

時間になると店を留守にして突然参拝を始める人たち。
路上にゴザを敷き詰め、神に向かって祈り始める。
店番は誰もいないが「神の前で泥棒をする奴などいない」という圧倒的性善説で成り立っている。

エジプト料理は、最初から最後まで期待を裏切らなかった。
何日使い回したか分からない真っ黒な酸化油が、容赦なく胃袋へダイレクトアタックし、猛烈な胃もたれに襲われる。
あんなに大量の札束を持っていたのに、私の胃袋を救うことはできなかった。

そして私は痛感した。
スークの女性たちが皆あんなにふくよかだった理由を。
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