雨のハイデルベルク。真っ赤なチェックイン機との孤独な死闘の記録

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朝6:42パリ発の電車を出発してフランスのコルマール、ストラスブールをハシゴ。
そして、ストラスブールを17:21発。
ハイデルブルクへと向かう。
ガタゴトとローカル線に揺られてたどり着いたのが、フランス側の国境の駅「ヴィサンブール駅(Wissembourg)」
ヴィサンブール駅

フランスの電車の中といえば、実におしゃべりで賑やか。
日本なら静かな通勤の時間ですら、ぺちゃくちゃとうるさい。
ところが。ヴィサンブールを越え、ドイツの領土に足を踏み入れた途端、
さっきまでの喧騒が嘘のように「シ―――ン……」と静かになった。
パッと周りを見渡すと、乗客の8割が文庫本を取り出し、無言でページをめくり始めていた。
「私がステレオタイプな偏見(ドイツ人=真面目で読書好き)を持ちすぎてるから、脳が幻覚を見せているの!?」ってくらい人の行動が違う。

20:30ハイデルベルク駅に到着。
時計の針は確実に20:30を回っているというのに、このスカッとした明るさ。
ハイデルベルク駅前

GWの5月3日の日の入時刻は20:45。
ちなみに夏至の日の入時刻は21:35頃で、冬至の日の入時刻は16:27頃。

21:00を過ぎても、ローラント・ラデシュトラーセ(Rohrbacher Str.)の通りはこの明るさである。感覚が完全に狂う。
ローラント・ラデシュトラーセ(Rohrbacher Str.)の通り

ホテルにチェックインできない事件
今夜の宿(無人ホテル)へ到着。
ロビーにドカンと鎮座していたのが、真っ赤な無人チェックイン機「HOTELOMAT」。
画面は、ドイツ語と英語の表記。もちろん日本語などない。
無人チェックイン機

入り方が分からず、完全にパニックに陥っていると、後ろからいかにも旅慣れた雰囲気のカップルがやってきた。
「あっお先にどうぞ(ニコッ!)」(※本当は使い方が1ミリも分からなくてフリーズしていただけ)
カップルは爽やかに微笑むと、流れるような手さばきでピッピッと画面を操作し、わずか1分でルームキーを手にして去っていきました。
残されたのは、やり方を尋ねるプライドも勇気もなかった哀れなアジア人。
そこから再び、真っ赤なマシーンとの孤独なデスゲームが始まった。
焦れば焦るほどタッチする指先は震え、画面は初期メニューに戻る。
時間にして15分ほどの格闘だったが、精神的には永遠を感じるほどの過酷な時間だった。
無事にルームキーが出てきたときは、ハイデルベルク城を1から建築し直したくらいの達成感があった。

22:00、夜のお写んぽ開始。
「綺麗な夜景と美味しい晩御飯を食べるぞ!」と意気込む。
ネッカー川に架かるカール・テオドール橋(アルテ・ブリュッケ)を渡るとホテルから徒歩30分。
ハイデルベルク城とカール・テオドール橋のライトアップ
ライトアップされたハイデルベルク城の神々しい姿をカメラに収めて満足すると、お腹が減ってることに気が付く。
時刻は既に23:00。
「よし、そろそろドイツっぽいレストランでも探すか!」と探すも、どこもかしこも閉店ガラガラ。
この時間、暗闇の中で唯一ギラギラと輝いていたのは、マクドナルドだけだった。
マクドナルドは国ごとに特徴があって面白い。
メニューにビールがあったのはいかにもドイツ。(コロナ後は少なくなったらしい)
フランスのガチ美食を堪能した直後ということもあり、味は物足りなく感じた。
むしろ、直前に最高峰のフランス料理と比較されてしまったマクドナルドがかわいそうでならない。
ドイツのマクドナルド
トボトボと部屋に戻ったのは日付を越えて0:00すぎ、私は泥のようにベッドへ倒れ込んだ。

翌朝:綿密なタイムスケジュール。
計画はこう。
7:00:ホテル出発、朝の街散歩開始
   街歩き→ハイデルベルク城と街を俯瞰。
11:00〜:オシャレにブランチをキメる
12:25:完璧なタイムマネジメントで電車に乗る

意気揚々と朝の街散歩を開始。
プルック通り(Plöck)とフリードリヒ・エーベルト通り(Friedrich-Ebert-Anlage)の交差点付近
プルック通り(Plöck)とフリードリヒ・エーベルト通り(Friedrich-Ebert-Anlage)の交差点付近

ハウプト通り(Hauptstraße)から望む聖霊教会
全長約1.6kmに及ぶ「ハウプト通り」は、ヨーロッパでも最長クラスの歩行者天国(ショッピングストリート)らしい。
ハウプト通り(Hauptstraße)

聖霊教会(Heiliggeistkirche)。
ハイデルベルクには大聖堂がないため、これが一番大きな教会。
赤茶色の「ネッカー砂岩」で作られた美しいゴシック様式の建物と、時計のついた特徴的な天を突くような尖塔が、ハイデルベルクの街のシンボル。
手前はマルクト広場(Marktplatz)と売店。
聖霊教会(Heiliggeistkirche)。

フィッシャーガッセ(Fischergasse、漁師小路)
かつてネッカー川で生計を立てていた漁師たちが暮らしていたことから名付けられた、風情のある傾斜した路地。
フィッシャーガッセ

コルンマルクト(Kornmarkt、穀物市場広場)から望むハイデルベルク城
手前の広場中央にあるのは、18世紀に建てられた「聖母マリアの泉(マドンナ像)」。
ここからのアングルは、霧がかった山中腹に佇むハイデルベルク城(Heidelberger Schloss)の崩れた城壁やファサードが最もドラマチックに見える街歩きブロガー必見のベストフォトスポットだが、雨が強くなりレンズに水滴が・・・18世紀に建てられた「聖母マリアの泉(マドンナ像)」。

カール・テオドール橋を再びわたる。
ネッカー川に架かる美しく気品ある石橋「カール・テオドール橋(Karl-Theodor-Brücke)」だが、現在見られる美しい石造りの橋は、実はこの場所に架けられた9代目の橋らしい。
14世紀以降、それまでの初代から8代目までの橋はすべて「木造」でした。そのため、何度も洪水や冬の流氷、あるいは戦争による火災で破壊され、そのたびに架け替えを繰り返し、見かねた選帝侯カール・テオドールが「もう絶対に壊れない頑丈な石橋を作れ!」と命じ、1788年にようやく現在の強固な石橋が完成。9代目でも230年以上も前に建てられただなんて。
カール・テオドール橋

橋を渡ったからにはカール・テオドール橋とハイデルベルク城のコラボを撮らないとね・・・
水滴でカメラがバカになってそうだけど。
カール・テオドール橋とハイデルベルク城のコラボ

橋からのハイデルベルク城。
橋からのハイデルベルク城

ハイデルブルク城への道。
ハイデルブルク城への道

ここから上に行くと途中で旧市街の屋根瓦が一面に見渡せる絶景スポットと、お城の入り口へと繋がる道。
しかし急勾配な石畳と階段で、この激しい雨の中では滑りやすく命の危険を感じ、引き返すことにした。
私のスケジュールは、ここで静かに崩壊しました。
お城の門を遠くから見つめ、
文字通り何も見ずにそのまま踵を返してホテルへ帰還。
何しに坂を登ったんだ私は。
お城への坂道

ちなみに、坂の上からはこんな感じの景色が見られるらしい。
Grokに作ってもらった。
写真ブログなのにAIに作ってもらうとは本当に情けない。
しかも川と街の位置が反転してるような気がするけど、どうせAIなのでいいや・・・
ハイデルベルク城から(Grok)

そして、またしても問題が発生!
「よし、ブランチだ!」と意気込んで街に出たのですが、どうやらドイツのレストランの多くは11:30開店がデフォの様子。開店をのんびり待っていたら、12:25の電車がガチで秒読みのタイムレースになってしまう。

オシャレブランチを諦めた私は、近くのスーパー「Kaufland」へ滑り込み、パンとヨーグルトで飢えをしのぐことに。
チーズ入りのスティックパイ(Börekstick Käse)0.65ユーロ = 約81円
ひまわりとかぼちゃの種のパン(Sonnen-Kürbiskern)0.29ユーロ = 約36円
ドイツのスーパーめちゃくちゃ安い!チーズ入りのスティックパイとひまわりとかぼちゃの種のパン

ミューズリー入りヨーグルト(KTG.Josh.mit Müsli)1.59ユーロ = 約198円
ミューズリー入りヨーグルト

全体的に「物価が日本より高いハズ」のドイツであるが、こうしてスーパーで買い物をしてみると驚くほど安い
特に主食となるパンは1個30円〜80円前後と激安で、ザクザクのシリアルが乗った大容量のヨーグルトを合わせても数百円で立派な朝食が完成する。

外食や贅沢品には高い税金を課す一方で、生きていくために不可欠な日常の食料品は極限まで安く抑えられている。
弱いものに容赦なく生活必需品からじわじわと削っていく日本と違って、生きる根底の部分では「弱者には優しい」のがヨーロッパの社会システムなのだな、、
と胃袋を満たしながら深く実感させられる。
とにかくパンが安い!
そして味は普通!
ドイツのパン

最後は駅の売店へ。
ハイデルベルク駅の本コーナーを眺めていて確信した。
ドイツ人はガチで本が大好きで売店の充実度が異常。
勝手な偏見で「スポーツといえばサッカー(ブンデスリーガ)」と思っていたら、
雑誌コーナーには自転車(サイクリング)や山登り、アウトドア系の専門誌がズラリ。
思った以上にみんな「静かに本を読み、アクティブに自然を攻める」というストイックなスタイルのようだ。
ドイツ人の本好き

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