ポカラ発カトマンズ行き。狙うは飛行機のヒマラヤ特等席!
すべては完璧な計画から始まった。
ポカラ発カトマンズ行きの飛行機は「左側の窓からヒマラヤ山脈が見える」というのが旅人の常識である。
8:30 | 勝利を確信した朝
8時半にはホテルのチェックアウトを済ませ、空港に出発。
見てくれ、この美しいポカラの街とフェワ湖を。これから始まる最高の空の旅を予感させるじゃないか。

08:50 | 完全なる勝者の味
絶対に「左側の窓」を勝ち取るため、11時55分のフライトに対し、3時間以上前にポカラ空港へ到着。
気合いの甲斐あって、前から2番目の左の窓側席をゲット!
おそらく私は本日2番目の飛行機のチェックイン客だ。
勝った。完全なる勝利の味を噛み締めていた。
この時までは・・・。
狂い出す歯車と、使えないAI軍団
9:00 | 違和感
ふと空港内を見渡すと、どうにも様子がおかしい。
朝7時の第1便が、9時を過ぎてもまだ出発していないのだ。

アナウンスによると「天候不良のため」らしい。
AIに聞くと
「ポカラは午前中に濃霧で欠航することが多いものの、午後には晴れて一気に飛び立つのが定番パターン」
とのことだ。
ちなみに今の天気予報は「快晴」
なのだが・・・

なのに、外はガッツリ雨!
現在の天気予報すら外すネパール、強すぎる。

それでも、
「まあ、天気予報も晴れって言ってるし、午後になれば飛行機は飛ぶだろう」
と私はまだ楽観視していた。
11:55 | 運命の刻(ディストピア)
私に、運命の11時55分が訪れる。
飛行機は、ただの1本も飛んでいない。
滑走路は静まり返り、あるのは不穏な空気だけ。
さすがに焦りが出始め、GrokやChatGPTやGeminiなどのAI軍団に「飛行機以外の移動手段」を問い詰めた。
バスかあるいはタクシーか。
AI軍団「14時まで待って飛ばなければ、ポカラ市内に戻って夜行バスに切り替えるのが現実的。翌朝カトマンズに着くので観光に影響しません」
とのこと。
先駆者たちのブログも読み漁った。
「14時まで粘ったら飛び始めました!」
「バスで10時間かけてカトマンズまで行きました!」
ふむふむなるほどなるほど・・・
やはり経験者の言葉は重い。
よし、14時まで粘ろう。
ダメだったらバスで行けばいいか・・・。
12:30 | 口の中の水分をすべて奪う謎の物質
さて、腹が減ったので空港でおやつ(ネパールのお菓子)を食べてみよう。
ネパール料理は連敗中だったので、覚悟はしていたが、予想を超えてマズい。。。

ピーナツの味がするベビースターみたいな感じ。
しかし本家のようなサクサク感はなく、水分をすべて奪っていくタイプ。
しかも食べる前からボロボロ崩れて非常に食べにくい。
絶望しながら、何気なくAIに
「ちなみに今日、12月30日なんだよね」
と伝えた。
その瞬間、AIたちの態度が手のひらを返したように急変する。
AI:「年末はネパールの若者がニューイヤーイベントを目当てにカトマンズに大集結するため、当日のバス予約は不可能です。」
……おい!!!先に言え!!!

一気に血の気が引いた。
明日12月31日は、私の中で最も楽しみにしているパタン・バクタプル観光の日である。
そして1月1日早朝には、インド行きの飛行機に乗る予定が入っている。
バスが無理なら、昨日ぼったくられたトラウマのあるタクシーを使うしかないのかorz
13:00 | 泥沼のAI依存
空は未だにモヤがかかっている。
複数のAIにすがる私。
「14時までは諦めないで!」と励ましてくるAIたち。
ネットの体験ブログを読み漁っても、やはり
「14時がデッドライン」
というのが共通認識のようだ。
13:30 | 無限30分ループ
まだ飛ばない。
そしてお菓子がマズすぎる(2回目)。
恐怖のあまり空港スタッフを捕まえて尋ねると、
「大丈夫大丈夫、あと30分で飛ぶ」と言う。

14:00 | 人類VS人工知能、全員嘘つき
ついに14時。相変わらず滑走路は静まり返っている。
「今14時です。まだ飛びません」とAIに泣きつく
AI:「諦めて、翌日行きましょう。」
と冷淡な返答。
すがる思いで再び空港スタッフに聞くと、
「大丈夫大丈夫、あと少しで飛ぶ」と宣う。
一体どちらを信じればいいのか。
混乱した私は、AIに聞いた
「ネパールの空港の人は、根拠のない見通しを言うことはよくありますか?」
すると、帰ってきたのは衝撃の回答だった。
AI「ネパールの空港スタッフは、乗客を怒らせないために『あと30分で飛ぶよ』とポジティブな嘘を頻繁につきます。実際にはその『あと30分』が13:00になっても13:30になっても無限に繰り返され、結果的に飛ばないのが定番です」
つまり、空港の人間は誰も信じられないということだ。
完全なる人間不信ゾーンへ突入。
ちなみに徒歩でカトマンズへ向かうと「1日と20時間」かかるらしく、明後日のインド行きの飛行機に間に合わない。
空港内では諦めてタクシーでポカラの街に戻る人々が現れ始め、完全に終戦ムードが漂っていた。
14:10 | 奇跡のアナウンス
そんな中突如
「カトマンズからの便が到着した」
とアナウンスが入る。
空港内に響き渡る歓喜の声!
いやタイムリミットの14時を過ぎとるがな!
14:20 | 時空の歪み、発生
続いて朝7時の第1便がカトマンズへ向かって飛び立った。
ここからのネパール航空界の本気が凄まじかった。
14:30 | 超超過密ハイパーローテーション
10分後には、次の便が離陸。
そこからはもう、時空を超越したスピードで飛行機がガンガン飛び去っていく。
ポカラ発カトマンズ行き飛行機が同時にBoardingとかありえない光景。

溜まっていた便を意地でも消化する気だ。
「大丈夫なのかよこれ」
と突っ込みたくなるほどの超超過密スケジュールである。
ポカラ空港は日没後は視界が悪化するため、
安全上の理由で、日没までに全便を飛ばし切る必要があるのだ。
15:50 | 怒涛のテイクオフ
いよいよ私の便の順番が回ってきた。
なんと、動き出してからわずか1時間半の間に、9本もの飛行機が飛び立ったのである。

さっきまでの絶望はどこへやら、アトラクションのようなワクワク感でついにテイクオフ。
勝ち取った「特等席」、その感動の結末
勝ち取った特等席、その結末
機体が上昇し、左側の窓の外に目をやる。
そこには雄大なヒマラヤ山脈の絶景が!!!

……広がっていたのだが。
朝9時から約7時間、空港で散々メンタルをすり減らされた私はこう思った。
三( ˘ω゜)チラ「あ、綺麗だな……」
三( ˘ω˘ )スヤァ「(爆睡)・・・」
15:15 | エピローグ
気づけば25分のフライトは一瞬で終わり、私は無事にカトマンズの地に立っていた。
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