セブ島にやってきた。
セブ島と言えば誰もが思い浮かべるのは、透き通る青い海、白い砂浜、カクテルを片手にバカンスを満喫するビーチリゾート。
だが、そんなキラキラしたリア充の集まる場所に私の居場所はない。水着すら持たずに降り立った私は、眩しすぎる海に背を向け、ひたすら陸地のディープゾーンへと足を進めることにした。
まず訪れたのは、1565年に建てられたフィリピン最古のキリスト教会「サント・ニーニョ教会」。
フィリピンにおけるキリスト教発祥の地とされる非常に歴史ある教会。
「フィリピン最古」という最強の肩書を持ちながら、火災で燃えては建て直しを繰り返したせいで世界遺産にはなれなかったらしい。
現在の建物は1740年頃に完成。

教会から徒歩10分ほどの距離にある「サン・ペドロ要塞」。

壁の石材はサンゴ礁(コーラル・ストーン)を切り出したもので、接着用のモルタルにはなんと「卵白」が使われたらしい。卵白で要塞を固めるとか、当時のパティシエもびっくりな建築センスだ。

「最古の要塞」という物々しい響きにビビりながら足を踏み入れたら、ただの極楽ねこ屋敷だった。
中は緑豊かで、手入れされた庭園が広がり美猫に囲まれるという桃源郷。

続いて、セブ市のカルボン・マーケット(Carbon Market)周辺。
パシルは、セブ市内で仕入れられる魚介類が集まるフィッシュマーケットで有名な地区で、
写真の男の子が魚の箱を抱えて歩いているのも、港町・魚市場エリアならではの日常風景。
だが、フィリピンの魚って美味しいイメージないので華麗にスルー。

歩く事徒歩40分。
セブ島のバジャウ族の集落にやってきた。
漂流民族「バジャウ族」の集落へやってきた。
ここはバジャウ族の女性と結婚してNGOやゲストハウスを運営している超有名人・松田さんが暮らす場所。
私の脳内にあったイメージはこれだ。
エメラルドグリーンの美しい海に浮かぶ、神秘的で優雅な海上集落。

そして、目の前に広がる現実がこれ。
海が見えないレベルで堆積したゴミの上に集落が浮いている。
優雅さゼロ、放たれる異臭は100点満点。さすがに鼻がもげるかと思った。

このスリル満点のゴミの上の橋を渡った奥に松田邸があるらしい。
「よし、アポなし突撃して『現地のリアルを知る孤高のバックパッカー』気取りをしちゃおう!」
とイキりかけたものの、一歩踏み外せばヘドロとゴミの海へ真っ逆さま。
命の危険を察知して足がすくむ。
と思ったら現地の人が「松田さんは外出中!」と教えてくれた
命拾いした安堵と、旅人マウントを取り損ねた悔しさが入り混じる。

ていうか、1泊たったの500ペソ(約1,300円)で泊まれるゲストハウスがあるという情報は、日本にいるときから事前にバッチリ知っていたのだ。
「ここに泊まれば最高のネタになる……!」とワクワクしつつも、治安や衛生面への恐怖心から直前で完全に怖気づき、予約ボタンを押せなかったヘタレこそがこの私である。
結局、予約する勇気もないくせに現地へ冷やかしに来て、松田さん不在にホッとしている始末。己の小心者っぷりとダサさに泣けてくる。
さて、こちらはセブ島のカレタ墓地
公共墓地で出入り自由なのをいいことに、もはや死者と生者が完全同居するストロングスタイルなスラム街と化している。

お墓の間を子どもが器用にイスを運んでいくシュールな光景。逞しすぎる。

フィリピンと言えばJollibee(ジョリビー)
世界各国で圧倒的シェアを誇るマクドナルドが、国内シェアで首位を獲れずに敗北し続けている珍しい国がフィリピン。
その絶対王者として君臨しているのがジョリビー。

フィリピンに滞在中Jollibeeで3回食べたが全部うまい。
こちらはチキンサンドイッチ。

結局、海の魚もディープな宿泊体験もビビって回避し、安全なチェーン店の揚げ油に胃袋を委ねる軟弱者こそが私だ。
リア充の楽園を避けた結果、私のセブ島旅行記に刻まれたのは、「猫・市場・悪臭ゴミの山・墓場・ジョリビー」。
最後まで一度たりとも海(※綺麗なやつ)を見ることなく、ただひたすら陸地のカオスに揉まれてフィリピンを後にした。セブ島に行った証拠写真は山ほどあるのに、インスタに上げられる写真が1枚もないのはどういうバグなんだろうか。
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