表と裏のマニラ散歩|怒濤のトンド地区潜入記

フィリピンの平均年齢は約24〜26歳。
約49〜50歳の日本の、ほぼ半分の若さである。
若いのは人間だけでない。町で見かけるネコもみんな若い。老猫を見ないのは、年老いる前に死んでしまう過酷な環境だかららしい。

さて、前日は表のマニラだったが、
今日は「裏のマニラ」を周る計画だ。
まぁ最初からこっちがメインのつもりでフィリピンに来たんだけども。

ホテルの近くでGrabタクシーを拾い、マニラの下町とも言われるトンド地区へ向かう。

車窓の景色は、だんだんとバラック小屋みたいな建物が増え、いかにもな何かが起こりそうな雰囲気。
だが、最初のトラブルは、街ではなく車内で起きた。

目的地付近に到着すると、スマホ画面に「300ペソ」の文字。

前回のタクシー乗車時、アプリの認証に失敗して現金で払った記憶が鮮明にあった私は、「今回もそうか」と財布から300ペソを取り出し、運転手さんに渡した。

さらに、無事に送り届けてくれた感謝を込め、日本から持ち込んだ愛のキャンディまでチップ代わりにプレゼントした。

運転手さんはとても気さくな人で感じがよかった。私は最高の気分で、アプリの評価を迷わず「★★★★★(星5つ)」にした。

タクシーが排気ガスの向こうへ消え去った直後、私は改めてスマホを見て、凍りついた。

『クレジットカードでの決済が完了しました。』

……あれ?

いつの間にかアプリの認証に成功していたらしく、自動で支払いが完了していたのだ。つまり、私は完璧な二重払いをしたことになる。

あいつ、あの人の良さそうな顔して、現金をポケットにないないし、アメまで受け取って、心の中で「カモがネギとアメ背負ってきたわwww」と爆笑していたに違いない!私の純情と日本のアメを返してほしい。

実は、前回のタクシー乗車時は、スマホのアプリの認証に失敗し、現金で払ったので、今回も、今回もそうだと思ったら、いつの間にかスマホアプリの認証に成功していたらしく、スマホ払いが完了していたのだ。
「クソーあんな人の良さそうな顔して騙しやがったな!」

二重払いのダメージで膝を折りそうになりながらも、海沿いのスラム街へ足を踏み入れる。
海沿いのコンテナを風よけにして、ひしめき合うバラック。これぞトンド。

すると、どこからともなく天使のような子供たちがわらわらと群がってきた。
ホント子供多いなフィリピンと思っていると。

「マニー!マニー!」
ニコニコと満面の笑みで駆け寄ってくる子どもたち。
「うわ〜こんな小さい子でも英語喋れるんだ!すげー!」と感心したのも束の間、彼らは私の前でガッチリとスクラムを組んだ。

「お金頂戴。そうじゃないと、ここから先には行かせないよ」

ニコニコ笑顔のまま、ストレートすぎるカツアゲである。
だが、今の私は一味違う。
「ふっ、甘いなキッズ。私にはこれがある!」
海外でお礼をしたいときはチップよりもこの
「日本産キャンディ」が喜ばれるのだ。

これで無傷で突破できる——そう確信したが、
子供たちの圧倒的なエンカウント率に対し、私の手持ちは2袋。
そのうちの1袋があっという間に溶けて消えた。アメで買える平和には、限りがある。

気を取り直してスモーキーマウンテンへ
海から歩いて15分
左手に見えるのがスモーキーマウンテン
山の下にはお店が並んでいる
ゴミを売ってるのかな?

想像していた暗い雰囲気とは裏腹に、街には活気があり、バスケットコートがところどころにあって子供たちが元気にプレイしている。

山には自由に登れると聞いており、スモーキーマウンテンの入り口に向かうが、ゴミの廃墟マンション?を見かけた。

私の脳内で直感的なアラートが鳴り響いた。
「山には自由に登れる」と聞いていたが、そんな生易しい雰囲気ではない。

あ、これ、進んだらアメどころか命がなくなるやつだ。
ここは登頂をあっさり断念。命あっての物種である。
地元のガイドを雇って来るべきだな。
気を撮り直して路地を歩く。
子供が多くて躍動感があってすごく楽しい。
海沿いよりも裕福なのか、こっちの子は「マニー」をせがまない。
ただ、日本人と分かると無邪気な顔で「釣り目ジェスチャー」をやってきた。

生活感のある住宅街、日本ならこんな住宅街を撮影しながら歩いてたら不審者扱いされそうだが、子供たちは暖かく釣り目ジェスチャーで迎えてくれた。

続いて向かったのは線路スラム。

フィリピンは若い猫が多い。

さらに進むと、何やら大渋滞を引き起こしてるパレードに遭遇。
一見すると祭りか何かに見えるが、なんと葬式の参列だった。

このパレードはチャイナ墓地まで続いていた。
人の死をド派手に祝う文化にカルチャーショックを受けつつ墓地に到着するが、
入口で警備員に一蹴される。

「関係者以外立ち入り禁止」
見事な門前払いである。

踏んだり蹴ったり、全方位から何かを奪われ続けた一日。
この日の最後も、世界三大夕日のマニラ湾へ。
夕日に照らされたマラテ教会。
世界三大夕日の一つとされるマニラ湾のすぐ近くに位置しており、海岸沿いのロハス大通り(Roxas Boulevard)から1本中に入ったマラテ地区にある。
マラテ教会

そして世界三大夕日のマニラ湾。

タクシーでの二重払い(損害)。
海のスラムでのカツアゲ(脅威)。
スモーキーマウンテンの撤退と、バスケでの撤収(回避)。
そしてチャイニーズ・セメタリーでの門前払い(拒絶)。

今日も色々あったけど、この夕日で全部チャラだ。

……そう思わないと、やってられない。

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